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あなたの「飼いたい!」が動物を殺している。密輸に加担しないために、飼う側は何をすべきか

というタイトルの記事を書きました

専業ライターとして生きていくためのスキルを身につけるべく、スクールに通っておりました

そのスクールの卒業制作として書いたのが、下記リンクの記事です

あなたの「飼いたい!」が動物を殺している 密輸に加担しないために、飼う側は何をすべきか

6,000字あります

文章、バリ堅です

漢字多め、画数多め、団体名長め、英語多めそして法律名多めという、読むのに最大限の抵抗を与える文章となっております

「興味はあるけど、長文は読めない」

そんなあなたのために、この記事で簡潔にまとめます

ワシントン条約って何?

密輸された動物のその後は?

そんな疑問にもお答えします

ぜひお読みください

日本は動物輸入大国

日本はワシントン条約掲載動物をたくさん輸入しています

生物に限って言えば、無脊椎動物とサンゴ類以外の全てで上位10か国入りしています

正規輸入をしている分には問題ありません

しかし、密輸が結構あると考えられています

税関の発表によると、2019年は61匹と67個(死着を含む)のワシントン条約掲載動物が差し止められています

これはあくまでも税関が水際で差し止めた件数

実際にはバレずに日本に出回っていることも多いと思われます

密輸とは

日本の場合、財務省の法律に従って税関に輸出入の申告をする必要があります

それを行わない場合、密輸となります

その法律によれば、どんな動物でも輸入できることになっています

しかし、他法令というものがあります

他の省庁が輸出入について定めている場合、そのOKももらいましょうということです

ワシントン条約は国際的な取引に関する条約です

日本の場合、

水際での取り締まり→財務省(関税法)

輸出入に関する取り締まり→経産省(外為法)

国内での取り締まり→環境省(種の保存法)

で、履行しようということになっています

だから輸入しようとする場合、財務省(税関)と経産省の両方のOKをもらう必要があります

なお上記3省、横のつながりはあんまない

ワシントン条約とは

正式には「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(CITES、サイテスと発音)といいます

将来的にも利用できるよう、野生の動植物の乱獲や過剰な利用を阻止するための国際取引に関する規制です

この条約には付属書と呼ばれるリストが3つあります

そして、それぞれ規制対象となっている動植物が掲載されています

ペットとしても人気の高いスローロリスやコツメカワウソは付属書Iに掲載

付属書Iの動物は商業輸入禁止です

ただし研究機関(動物園も含む)は手続きをすれば、輸入できます

Ⅱ、Ⅲは商業輸入可能で、こちらも手続きをすれば問題なし!

だから、「ワシントン条約」=「輸入できない」というわけではないんですね

ちなみに掲載動物や植物からできた加工品も同じ手続きが必要です

海外旅行でお土産を買う際には注意しましょう

密輸動物はどのように連れて来られるのか

通常、商業輸入する場合、動物は大事な商品なわけで、丁寧に扱われます

しかし、密輸される動物たちは違います

寒い貨物室でつぶされたり、運び人の衣服の中に無理やり詰められたり

だから死んでしまうことが多いんですよね

どのくらい死んでしまっているかという正確な統計はありません

死んでしまった動物は、日本の経済に影響を与えないからだと思われます

でも、状況から察するに、通常手配よりも密輸の方が、間違いなく多く死着していると考えられています

とある方にインタビューしたとき、

「密輸された動物は死ぬために連れてこられたようなものですよ」

と仰っていたその言葉が、今でも耳に残っています

密輸された動物のその後

税関で密輸が発覚した場合、経産省が引き取ります

その後、動物たちがたどる運命は3つ

まず考えられるのが返送です

元居た場所に返そうということですね

ところがこれが難しい

輸出国が必ずしも原産国とは限らないからです

そうなると次は保護となります

経産省は動物園水族館協会に連絡をします

動水協は寄託園館を探し、決まれば動物たちはその園館で暮らすことに

でも寄託園館が決まらない場合もあります

そういう場合、動物は殺処分です

大きな爬虫類はこういった運命をたどることがあるようです

何とか生き延びて日本にたどり着いても、命が保証されているわけではないのです

密輸がなくならない2つの理由

1つは法に穴があるからです

付属書Ⅰに掲載される動物は、原則国内での流通は禁止です

ただし例外もあります

付属書Ⅰに掲載される前から日本にいた個体や、その個体から繁殖した場合、環境省に登録すれば流通可能です

これが穴となっています

というのも、幼い密輸個体を「国内で繁殖した」と偽ることが可能だからです

ロンダリングというやつですね

環境省への登録というのは必ずする必要はないようです

でも全ての個体を登録するよう義務付ければ、密輸個体があぶりだされます

もう1つは刑罰の緩さです

罰金数十万と執行猶予付き1年ちょいがだいたいです

刑務所にぶち込まれることは、ほとんどありません

だから、「今回は運が悪かったから、次で稼いで罰金分を取り返そう」ってなるんですよね

密輸に加担しないために何をすべきか

法律を変えることは簡単ではないですし、時間もかかります

でも、飼う側の意識であればすぐに変えられますよね?

需要があるから供給があるわけです

むやみに欲しがる人間がいるから、密輸する悪い奴がいるのです

絶対に飼うなというわけではありません

ただ、飼う前に気をつけようということです

じゃあ何に気をつければいいかというと、次の3つではないでしょうか?

①飼う前に調べる

「その動物がどのような状況に置かれているか」「法的に飼えるのか」等を調べましょう

今の時代、インターネットで簡単に調べられます

②怪しい業者からはお迎えしない

都合のいいことしか言わず、現実的なこと(エサが生きた昆虫とか)を教えてくれない業者もいるそうです

そういう業者は利益に執心していることから、違法なことに手を出している可能性もあります

また、その個体がどこから来たか、どこで購入したかを口留めするような業者も避けた方がいいです

③登録証の有無を確認

カワウソ、スローロリス、インドホシガメなどの付属書Ⅰ掲載動物は登録証が必要になります

それがなく販売されていた場合、まぁほぼ密輸確定です

なお登録証がない場合、買う側も法で罰せられますのでご注意ください

まとめ

要は、

「飼う側もむやみに欲しがるのはやめるべきだし、考えてお迎えしようね。そうすれば密輸が減るよ」

ということです

記事の作成にあたって、本っ当に多くの方にお世話になりました

この記事が少しでも密輸防止につながれば幸いです

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